2004年のオープン以来、止まるところをしらない人気の「金沢21世紀美術館」。
先日足を運んでふと考えた。
決して万人に受けるわかりやすいアートだけではないし、作品の数も多くない。
オープン当初だけの人気なら物珍しいからと理由がつくが、10周年を迎え人気は増すばかり。
「なぜだろう?」
回りながら考えていたら、ふと気づいた。
ここは基本的に一部屋に一作品展示されていて入場者はその部屋を回って行くのだが、その回遊していく空間が、何とも言えない空気感をはらんでいるのだ。
極端な言い方をすると、自分がアートになった気になる。
そしてもう一つ。
街に対して実に開かれた作りで、何の気負いもなく入っていける雰囲気が凄い!
迷路のようで、オープン!計算を感じさせない計算のなされた動線の流れ。
いい建築は街も人も変える力を持っている。
建築って凄いなあとしみじみ思った瞬間!
今回は写真をまとめてアップ。
といっても写真撮影許可がでている作品は少なかったので、あまり写真がないのは残念。
まわりをぐるっと囲む芝と一体化した外観。威圧感がなく、本当に「Welcome」っていってる感じ。

一番有名(?)な作品、スイミングプール。
アルゼンチンの作家「レアンドロ・エルリッヒ」の作品。
まずこちらはプールの中から上を見上げたところ。

そして、プールの上から中を覗いたところ。

「えっ?こんだけ?」「そう、こんだけ。」でも、楽しい。
これも有名なまわり廊下にある作品。
東京生まれの台湾人アーチスト「マイケル・リン」の作で、
加賀友禅の工房に何度も足を運びデザインしたこの作品。
彼は台湾で伝統的な台湾の花柄をモチーフにしたデザインを描いているという。
写真には写っていないが、置いてある椅子の背にもこの花柄が描かれていて背景と一体化しているのも面白い。
数少ない撮影可能展示の一つ。
思い切り青の世界。

奥のグリーンが作品になっている美しい廊下。違う世界に行けそうな気がする。

反対側から見たところ。また違う雰囲気を味わえる。
この廊下を囲んでいるのが、冒頭の写真にもあるこの建築。
白い箱はどこから切り取っても美しく、「建築?」「アート?」そんな区別を越えて、
白い壁沿いに歩く人がアートになっている。
廊下の壁にはこんな作品が・・・
中庭を挟んで反対側には、この日本語バージョンがあるのが憎いね!
少ないいったけど、見応え十分な作品ばかり。体験できるアートが多い参加型の美術館として、これからも日本のアートを引っ張っていってほしい存在だ。
建物の設計は妹島和世+西沢立衛。
世界の妹島。日本女性の誇りだわさ。