ここのところ納品が続きます。
時期的にモデルルームの納品もありますが、個人のお客様の納品も多い時期です。
さて、そのモデルルームと個人のお客様のインテリアプラン。
このふたつではコーディネーターのスタンスが大きく異なります。
まずは誰が決定権を持つ?
来場していただいたお客様の年齢も職業も購入の目的も千差万別。もちろん「こんなお客様かな?」とイメージしてプランを練っていきますが、イメージ通りのお客様ばかりいらっしゃるわけではないので、やはり不特定多数のお客様のことも意識してデザインします。
そのうえで、これがいい、あれがいいという意見は依頼した会社の方々の見解によることがしばしば・・・しかも同じ会社でも担当によって意見はまちまち・・・誰の意見を参考にすればいいか図りかねて、壁にぶちあたります。
その点、個人のお客様の場合は、その頼まれたお客様ひとりのご要望を最大限引き出すことが一番の大仕事。
そのうえで、いろいろデザインを考え、提案し、お客様が最終判断をつけやすいようにプレゼンし、そのインテリアを実現して差し上げることを意識してデザインします。つまりヒアリング力と提案力が同じくらい大事です。
そなかわりきちんとヒアリングして、お客様が思っている以上のデザインで要求をみたしてさしあげれば、この仕事は成功といえます。
何が大事?
また、そのインテリアプランニングで大事にすることが違います。なぜなら、インテリアデザインの目的が違うからです。
モデルルームは、お客様にどうみせるかが大事。例えば、ソファや椅子は掛け心地以上に見え方と予算が優先されます。
一方個人のお客様は、使い勝手や掛け心地などの体感もないがしろにできない大切な要素です。どんなにデザインがよくても使い勝手が悪いとボツ!
身体にあっていない椅子やベッドやお好みの掛け心地でないソファは、もっとも避けなければいけない商品です。
というふうにその目的の違いで、同じインテリアの仕事でも大きく異なるこの仕事。
モデルルームの仕事だけとか、エンドユーザーだけというように仕事を絞っているデザイナーやコーディネーターが多いのもそのためです。
というわたしは、両方やっています。
大変ですが、わたしにとってのメリットもたくさんあるからです。
それは、エンドユーザーの声をモデルのコンセプト設定などを考える際に生かせることと、自分では絶対にやらないインテリアデザインの要望に挑戦できること。
そしてなにより、個人のお客様はその仕上がりにとても喜んでくださること。
生活が変わりましたといわれると、とても嬉しいもの。
モデルルームのデザインだけでは、なかなか味わえない喜びです。
写真は先日納品した個人のお客様のお宅の壁面タイル。
部屋全体をお見せできないのが残念ですが、壁にこんなタイルを貼ると部屋の印象が大きく変わります。
お客様にもとても喜んでいただきました。
これから、ゴールデンウィークまでは怒涛の日々が続きますが、「ありがとう!」の言葉をココロの支えに頑張るよ!