今年で5回目の3月11日がやってきました。
東北で地震に合われた方々のことを考えると、東京での被害はたいしたことがなかったというもの、3月11日になるとあの時のことを考えてしまいます。
地震や津波など、人間がどうすることもできない自然の力を目の当たりにして、自分の非力さが情けなかったあの日です。
あの日のわたしの怖い経験も特別で、話をできるようになったら別の機会にお話しするとして、今日はまじめに災害とインテリアの関係をお話ししたいと思います。
実はわたしは、その前の「阪神淡路大震災」の時も大阪で、地震の恐ろしさを経験しました。
その揺れは、「3・11」の時と異なり、大きな縦揺れがきて一瞬で家具が倒れてきました。幸いうちは背の高い家具は一部屋にまとめていれていたのと、天井までの上置きのある家具だったので、家具そのものは倒れませんでしたが、大きな冷蔵庫が倒れてきたのは驚きました。
その時、シミジミと「どんなに素敵なインテリアも安全なくしては語れない。」と痛感しました。
そして3月11日。
やっぱり思うことは一つ。
「素敵なインテリアの大前提は、そこに住む方の笑顔である。」とすると、家の中での事故は絶対にあってはならないのです。
あれから5年。幸いなことにわたし自身の生活も、以前の生活にもどりましたが、ふと部屋を回すと、私の住まいは決して安全とはいいがたい状態になっているではないか!
イケない、イケない。
お客様のことを考える前に自分の住まいの安全を考えねば・・・・
猛反省する今日です。
ところで、背の高い本棚や洋服タンスなどの家具。
皆さんはどうしていらっしゃいますか?
よく後ろの壁に金具で固定するとか聞きますが、壁自体に釘を打てなかったり、石膏ボードで釘が効かなかったり・・・実際に金具で固定できる方は少ない気がします。
「うちはホームセンターで転倒防止のツッパリ器具で固定してあるから大丈夫!」といっている人は、これまた要注意!
NHKの実験によると、地震の種類にもよりますが、この手のツッパリ器具は地震の衝撃で簡単に外れてしまうそうです。
そのNHKが、金具で固定できない家具の安全な置き方も一緒に紹介していました。
下記の二つの方法を一緒に使うことです。
1)家具の前面の底に「すべり止めシートを」を敷いて、家具がすべらないようにする。
2)そのうえで、家具と天井の隙間に段ボールを置いて、できるだけ隙間をうめる。
「イラスト」はNHKの特別サイト「NHK そなえる 防災」より
この二つを同時に用いると、100%ではないものの、かなりの割合で家具が倒れるのを防いでくれるそうです。
ポイントはダンボール。できるだけ隙間がないよう、天井までダンボールを置く。
突っ張り棒のように「点」ではなく「面」が接していると倒れにくいそうです。
なるほど!!!!
ダンボールでしたら、インテリアのテイストにあったラッピングペーパーなどで、箱に綺麗にラッピングしてあげると、部屋の雰囲気は損なわないと思います。
もちろん大前提として、家具を安全な位置に置くことが大事とのこと。
寝ているベッドや布団に直接倒れこんでこないように、それから入口をふさがないように・・・この二つは守ったほうがいいと思います。
「イラスト」はNHKの特別サイト「NHK そなえる 防災」より
一番いいのは、クローゼット等は作り付け造作家具として壁に固定すること。
でも、予算に余裕がある方はそれができますが、実際は予算の関係でそうはいかないこともシバシバ・・・
そういう時は、この記事を思い出してください。
「安全あっての素敵なインテリア」
地震に限らず、部屋の中に置いてある家具や家電、小物などで事故がおこらないことが、素敵な住まいの大前提であることを肝に命じて、また1年頑張ります!