行きたい行きたいと思っていがら、なかなか行けないことの多い展覧会。
でも、この「村上春樹とイラストレーター展」だけは何が何でも行こうと思って心に留めていたら、チャンス到来。
同じ沿線での仕事があり、打合せの帰りにいくことができました。
場所は「ちひろ美術館」。閑静な住宅街にある小さな美術館です。
おこがましくも実際にこの展覧会に行った感想を言うと、想像以上に、いや想像の何倍も大満足。
しっかり企画が練られたていたということもありますが、この企画を考えた人たちはみんな村上さんの作品を愛しているんだろうなと感じさせるとてもいい展覧会でした。
会場は1階と2階に分かれており、1階には安西水丸さんと和田誠さん画の本とその原画が、ジャズの流れる心地よい空間に展示させています。
印刷された本の表紙としては記憶にあるものばかりだけど、原画はやはり違う!
色の深みや線の軽やかさ、構図の巧みさ…どれひとつとっても、表紙とは別もののひとつの作品として、存在感あるイラストばかり…
お二人の絵は一見簡単に描かれているように見えるけど、それこそプロのなせる業だと、原画を見ながら改めて思いました。
そしてそんな作品の中、村上春樹を語る和田誠さんや安西水丸さんのコメントが、洒脱で軽ろみがあってまるでライブで話されているかのよう。
安西さんはまだ生きていらっしゃるのではと錯覚してしまいそうでした。
「村上春樹×和田誠」ペアにはかかせないジャズの中、その部屋にいるだけで至福の時が流れます。
二階の展示室には村上作品の原点といもいえる『風の歌を聴け』と、続く『1973年のピンボール』、『羊をめぐる冒険』の表紙を描いた佐々木マキさんの原画が・・・・
「そうそう、この港の倉庫の絵」
「羊男だ・・・元気?」
知らなかったのは、本を出版するにあたってこれらの本の表紙は「ガロ」に掲載していた佐々木マキさんの漫画のファンだった村上さんが佐々木さんに直接お願いしたということ。
このあたりのセンスも私が村上春樹本を好きな理由だと確信した次第です。
二階の展示室にはもう一人わたしの好きなイラストレーター「大橋歩さん」のイラストも並んでいました。
雑誌「アンアン」での村上さんの連載エッセイの挿絵の原画・銅版画は他のイラストとはまた違う世界を展開していて、エッセイの挿絵の奥の深さを感じました。
残念ながら撮影禁止で写真がなく、コメントだけになってしまいましたが、逆に「百聞は一見にしかず」。
都合がつく方は是非一度ちひろ美術館を訪れてみてください。
そうそう、この会場になった「ちひろ美術館」も本当によかった。
それについては、次回・・・