この仕事をしていていつも考えるのが、【森と木の話】です。
これはインテリアの仕事に限ったことではないと思いますが、「木を見て森を見ず、森を見て木を見ず」という言葉です。
もともとは「You cannot see the wood for the trees.」という英語からきているそうで、「木を見て森を見ず・・・細かいことばかりに目がいき、大きな全体像が見えていないこと」の例えで使われます。
しかし、今ではそれから派生していろいろな言い方に変えて使われて、上の言葉のその一つ。
「全体像をしっかりつかむことも大事だけど、全体ばかり気にして一つ一つの小さいことを見過ごしてもダメだよ!」
最近ミリ単位の話を詰めていて、この言葉がやたら頭に浮かんできます。
デザインするのは、120㎡の大きなモデルルーム。まずはマンション全体のコンセプトにそったインテリアのイメージを考えていきます。
間取りを変更するところから始めて、造作家具のデザインや家具、カーテンのセレクトなど決定するまで、何か月もかかるプロジェクトです。
その仕事の中で最後の最後、大事なところがミリメートルの納まりなのです。
2㎜だけ出す、3㎜引っ込める、厚みを60㎜にするか65㎜にするかといった細かい世界です。
でもここまで考えたデザインはやはり美しい!
こと仕事に関しては、「森をイメージしながら、木をそして、葉っぱを、時には土や風までも見なくてはいけない」緊張の場面があると思います。
何を隠そう、今それに苦しんでいる最中。
巾木とパネルの厚みの違いをどう処理するか?
扉の枠の厚みはどうするか?
地味な仕事が続きますが、いつかこの葉っぱが気になって、その木が森になることをイメージして頑張ってます。
この間隔を何ミリメートルにするか?
本当に地味な仕事だわさ!