ロンドンの美術館・博物館は入場料が無料なのだ!
ロンドンは何度も訪れていて、行くたびに美術館や博物館に行きます。
そこで驚くこと。
何が凄いって、ほとんどの美術館・博物館の入場料は無料なのです。
(一部企画展は除く)
あの大英博物館もビクトリア&アルバート博物館もテートモダンもナショナルギャラリーも、無料で入れます。
これって凄いことだと思いませんか?
小さなギャラリーならともかく、建物の維持費だけでも目の玉が吹っ飛ぶくらいの金額なはずなのに、誰でもタダで入って鑑賞できるのです。
いろいろ調べるともともと大英博物館が1759年(これって日本は江戸時代中期!)にオープンした時から無料だったらしい。でも途中やはり財政難でいくつかの博物館は安いけれども一応入場料を取り始めたとのこと。
でも先のブレア政権自体が2001年に、博物館・美術館は国民全員の財産→国内のあらゆる階層の人々がに無料では入れれること→国民の福利厚生の向上につながるという考えで、全面無料に再度したのです。
そういえば、私が1998年に訪れたときは大英博物館は無料でしたが、ビクトリア&アルバート博物館は無料ではなかった記憶がありますが、今ではほとんどが無料なので気楽に何度でも足を運びます。
多大な寄付があるとはいえ、政府の予算もさいて運営を維持するのはどれほど大変かと思うと、その努力に頭が下がります。
おかげでイギリス国民だけでなく、わたしのように観光客もイギリスでの滞在の楽しみの一つとして心ゆくまで、美術館・博物館を訪れることができるのです。
前置きが長くなりましたが、そんなロンドンで今まで行っていなかった美術館が実はありました。
それが今日紹介する「ナショナルポートレートギャラリー」です。
ここはかの有名な「ナショナルギャラリー」の裏手にある美術館で、属に言う「肖像画」だけを展示している美術館です。
「肖像画」というと、昔の人やえらい人のかしこまった顔の大きな油絵を想像します。
昔、音楽室に掛かっていた「ベートーベン」や「モーツァルト」、はたまた歴史の教科書で髭とか眼鏡とか書き込んで落書きした政治家の顔です。
私もそう思いこんで、時間があるときに行こうなどと後回しにしていました。
今回はたまたまホテルがこのナショナルギャラリー・ポートレートギャラリーから徒歩3分というロケーションにあったので、隙間時間にちょっと散歩がてらのぞいてみようという軽いノリで訪れました。
そしたら・・・・
そうです。
ナショナルポートレートギャラリーが想像以上の面白さ!
先に相対的な感想を書いてしまうと、人の顔って面白い!
ただ人の顔なのに、その奥ある喜びや苦悩、驚きや落ち着きなど実に様々な人生や時代を感じさせるのです。
頭の中でグルグルといろんなことを想像できるのです。
人間誰一人として同じ顔の人はいないし、同じ人生の人はいないことを考えると、興奮したと同時に、実在の人物を描くことの意味を初めて感じました。
常設展は歴史上の人物でよく知っているシェークスピアやエリザベス女王やチャーチル首相などもいましたし、ポール・スミスやエイミー・ワインハウス、ジョン・レノン至ってはオノ・ヨーコさんとの全裸の写真で登場してくれました。
肖像画といっても、今では絵画だけでなく、デッサン、写真や立体アート、彫刻までと幅広い表現方法の作品で埋め尽くされています。
BPポートレートアワード2016年展も凄かった!
今回わたしにとって「棚からぼたもち」だったのは、たまたま「BPポートレートアワード2016」展が開催されていたことです。
何だか知ってるたような書き方ですが、こんなアワードあることも、ましてやこの時期開催されていることも全く知らずに入ってたまたま見た企画展です。
あとから知ったのですが、「BPポートレートアワード」はこの美術館が毎年世界中からからの作品の応募を受け付けて行っている企画で、18歳以上であれば1人1作品、誰でも応募できます。
今回この2016年の入賞者の作品をはじめとした応募作品が展示されていました。
これがまた面白かった!!!
世界中の無名な人たちが、無名なモデルのポートレートを描いているのだけど、これまた普通の人でもそれぞれに背負った人生があることを見せてくれて、感慨深い気持ちになりました。
今の時代ブログやインスタグラム、YouTube など自己表現できる場が増えていますが、ポートレートでその人の人生のひとコマを切り取って、その人に代わって表現するといった手法もいいなあと思わせてくれました。
もっともっと写真を撮りたかったのですが、この会場とても混んでいて大勢の人の中写真を撮ることが難しかく断念しました。
常設の歴史上の人物のポートレートより、今を生きる名の無き作家の名も無き人のポートレートの方が人気というのも凄いなと思いませんか?
老若男女いろいろな人たちが本当に真剣に見入る姿に、文化の厚みを感じます。
最後にこの展覧会では、私たちビジターも好きな作品に投票することができます。
わたしの選んだ作品はこちら!
大きな大きな作品で、リトアニアのLaura Guokeさんのアクリル画です。
まるで写真みたいでしょ?
喜んでいる風でもなく、悲しんでいる風でもなく、怒ってる風でもなく、驚いている風でもなく、恥ずかしがっている風でもなく・・・でも何か言いたげなこの人物の表情が印象に残っています。
この作品はTravel Award 2016の受賞作品でした。
ナショナルギャラリーの陰に隠れていますが、とてもいい美術館です。
時間が許せば是非一度訪れてみてくだだい。
【おまけ】
ここの最上階のレストランのアフタヌーンティーはよさげだったよ。わたしがのぞいた時はオープン20分前だったので、時間がなくあきらめましたが、眺めが絶対いいはず。
後で調べたら、やっぱりわたしの目に狂いはなかった!
トラファルガー広場を望んでの席もあり、眺め抜群らしい。
次回は絶対いくzzzzzっぞ!