折しも昨日発売になった「ミシュランガイド2017」ですが、先月思いがけなく毎年星を獲得している「キュイジーヌ[s] ミッシェル・トロワグロ」に行ってきました。
隣の中華料理店「翡翠宮」によくいくのでお店は知ってはいましたが、「ここは星いくつだから・・・」などの理由でお店を選ぶことはないわたしにとって、この「キュイジーヌ[s] ミッシェル・トロワグロ」は近くて遠いレストランでした。
そんなわたしがなぜ?
シャンパーニュを楽しむ会
実にわたしらしい理由なのですが、伊勢丹の「シャンパーニュを楽しむ会」という企画に応募し当たったからです。
もちろん招待ではなくしっかりお金は払います。
でもどうせ外れるからいいやと運試しのつもりで軽い気持ちでポチッ!
それが、たまたま当たって、しかもたまたまその日仕事の予約がはいらなかったという奇跡!
基本、運命には逆らわない主義のわたしは「ならば・・・!」といそいそ参加したのでした。
「シャンパーニュを楽しむ会」というだけあって、全コース料理にあったシャンパンがつきます。
いえ、正確にいうと、まずシャンパンありきで、そのシャンパンに合わせて料理が提供されました。
シャンパンは【ドゥーツ】のもの。
この日はフランスから来日中のドゥーツさんがいらっしゃって、一つ一つのシャンパンの説明をしてくださいました。
シャンパンについては書くことがたくさんあるので、後日にして、まずは衝撃を受けた「キュイジーヌ[s] ミッシェル・トロワグロ」の話をしたいと思います。
キュイジーヌ[s] ミッシェル・トロワグロとは?
「なにかっこつけて後ろに【s】つけてんの?どう読めばいいの?」と突っ込みを入れたくなる店名ですが、いうまでもなくフランスの名店「メゾン トロワグロ」のオーナーシェフ「ミッシェル・トロワグロ」が世界唯一自分の名前をつけたレストランです。
わたしも「キュイジーヌ」とつくことからわかるように、伝統的なフランス料理をベースにしつつも、素材の活かし方や盛り付けなど革新的な試みをしている・・・
ということだけは予備知識で知っていました。
でも頭で知っているのと五感で体感するのは大違い。
「百聞は1味にしかず」でした。
場所は新宿にある「ハイアット リージェンシー東京」。
色づき始めた窓からの緑がきれいです。
オッと失礼!
ついついこんなものに興味をもって撮ってしまいました。
食事は6品種のシャンパンと全7品のコース
かぼちゃのロティとフレッシュなハーブ クラッタとフェセル
ハムに隠れてみえないけど、かぼちゃがかぼちゃと思えぬ美味しさ。
「ほくっ」でもなく「じわっ」でもなく・・・かぼちゃの味とブイヨンの味が一体化して違う食べ物になっていました。
マナガツオと海の香り 茄子
カツオも美味しい、ソースはいうまでもなく素晴らしい!
でも奥にちょこっと添えられた一口の茄子が・・・茄子が・・・
茄子のピューレが凄かった!
写真でも言わなきゃ茄子ってわからないと思うけど、目の前にしても口に入れるまで茄子ってわからなった存在。
これがピューレになって一瞬存在を消しているけれども、味は焼き茄子を食べているくらい茄子なのです。
名脇役とはまさにこの茄子のためにある言葉。
上手に表現できないのが悲しい。
映画の画面に「チラッ」と映るだけで空気が引き締る「笠智衆」みたいというか・・・(古くでごめんなさい。)
仔牛と蕎麦の実 ブレットとリコッタ
この仔牛も凄かった。ちょっとだけ燻製になっていてスモーキーな香りに蕎麦の実が合うだな、これが・・・
コンテとリンゴのフィーユ 胡桃と白トリュフ
チーズも美味しい!トリュフに至っては・・・ノーコメント!
これが上の写真の料理に使われた白トリュフ。 お、お、大きい!
こんな大きいトリュフ初めてみたよ。
梨とヘーゼルナッツのアーキテクチャー
ネーミングが素敵!「アーキテクチャー」だって!
口の中で全て溶けていきました。
最後の焼き菓子たち。
一口、二口、三口・・・全部美味しいけど、わたしは下のジェリーに心を奪われました。
「ミシュラン」料理人が費やした時間と思いの評価なんだ!
一気に最後まで料理を紹介しましたが今回わたしが特に思ったのは、本当の料理のプロってどれくらいいるんだろう?ってこと。
わたしたちの業界でも、職人の中の職人。スーパー職人の中のスーパー職人がいますが、それは常日頃から研究して追求して腕を磨いているほんの一握りの職人さんです。
料理の世界もきっとそうなんだろうなあ!と身をもって感じました。
そう、この日食べた料理はプロの料理人の味でした。
同じく時間を費やして、常日頃から研究してクリエイトした結果の料理でした。
東京は本当に美味しいお店がたくさんあります。
普段はリーズナブルで美味しいそんなお店をよく利用します。
でもたまにはこういうレストランで、プロ中のプロの味を堪能するもの悪くないと思いました。
最後に料理とお酒の話
この写真に写っている6本がこの日のシャンパン。
どれも素晴らしくおいしく、全コースシャンパンというコースになんの違和感もなく飲ませていただきました。
それも、このシャンパンにあった料理あってこそ!
シャンパンと料理!この組み合わせの巧みさが、料理を何十倍にも美味しく味合わせていただくことができた秘訣かもしれません。
それにしても美味しかった!