昨日から東京 六本木の森美術館で始まった「レアンドロ エルリッヒ展」。
前日の金曜日に内覧会があったので、一足先にみてきました。
正直、「レアンドロ エルリッヒ」がどんなアーティストなのか事前情報は全く持たずに訪れたのですが、会場を出る時にはすっかり彼のファンになっていました。
早速作品のいくつかを紹介しますね。
まず入口からつながる暗い通路を進むと、ボートが数隻水に浮かんでいる光景がみえます。
ゆらゆら揺れて、まるで夜の公園のボード置き場のようです。
とっても幻想的で、この幻想的に何か訴えるものがあるのかな?
53階でこんなに水を使った作品は設営が大変だったろうなあ?
と、あれこれ思ってよく見ると・・・
な・な・なんと水が無い!!!!
水面下のゆがんでみえるボートを作ることで、まるで水に浮いたようにみえたのです。
ボートだけではありません。オールも水面下でギザギザに見える様が表現されているうえに、コンピューター制御で水に浮かんだ揺れを表現しているので、すっかりだまされてしまいました。
しょっぱなからワクワク!!!
「これは面白い!想像以上だ!」
先に進むと「フランス・日本・イギリス・ドイツ」という題の作品が現れます。
説明に「人間は本来形を持たないものを、自分の知っている何らかの形として認識することがある。その典型的な例が星座で空の雲もその一つ」
とありました。
確かに、雲をみて「あっ!魚みたい!」とか「♡形だ!」とか思った経験はだれにでもあります。
続いて解説に、この作品の奥深い解釈がありました。
「数十万年単位でみると、地形も本来形をもたずに変動しており、そこに勝手に線をい引いて作り出し物が、国家である。」
たしかになあ!
そんなことを胸に、作品自体をよく見ると、「う~~~~ん!」とうなるような構成でこの雲は表現されていました。
何枚ものアクリルの板に少しづつずらして描かれた国のような形。
そのずれが重なって、見事に雲を表現しています。
これは只者ではない!
さらに進むと・・・
黒いテーブルと椅子らしきものが並んでいて、そこに座れるようになっていて、その奥に、廃校の教室の画像が見えます。
よくある映像のインスタレーションのように、ここに座ってその映像をみるのかと思うと・・・・
自分が教室にいるではありませんか!
まるで亡霊のように・・・
大人にとっては、昔通った小学校に亡霊として現れた自分をみることで、過去の自分のと現在の自分を鑑みるような不思議な感覚にとらわれます。
映画でも有名な小説「クリスマスキャロル」で主人公が過去・未来の自分を見た場面のようです。
この時点で、ワクワク・ワクワクMax!
でも、もっと面白い作品が待っていました。
というわけで、後半へ続きます。