昨日紹介しきれなかった「BEAMS JAPAN」続編
まずは昨日紹介した5階の写真を再アップ。
5階には日本各地からの陶磁器が数多く並んでいます。
お澄まししたよそ行きの陶磁器というより、気兼ねなく普段使いできる食器が中心です。
わたしが個人的に気になったのがこちらの漆器。
一般的に漆器は分業で作られていて、木から形を作る木地師をスタートに下地師→塗師と分業で進んでいきますが、この写真の塗の食器はそれを全て一人作っています。
栃木県の益子町の松崎修さんの作品です。
写真をみておわかりの通り、少しぽってりして厚みがあります。
これは木材からノミ、カンナで直接くり抜き形を作っているからだそうです。
お世辞にも洗練されたフォルムとはいえませんが、逆に手なじみがよく、肌にすっぽり入ってくる感触がなんともいえず温かさが新鮮でした。
ということで、じつは奥に見える黒いお椀を一つ購入してしまいました。
5階にはそれ以外もいろいろな日本のクラフト製品が並んでいます。
こちらの上の段は和紙の文庫箱。
様々な柄があり、北欧モダンテイストとリンクする柄もあります。
こちらはグッと日本を感じさせる柄ですが、何のモチーフかわかりますか?
「うろこ柄」とあるとおり鯉のぼりの柄だそうです。
なるほど・・・
こちらは富山市の八尾和紙の会社「桂樹舎」の商品です。
そんな中とても魅かれたのが、こちらのこけし。
ネイティブな雰囲気のこけしが斬新!
こちらは「仙台木地製作所」の佐藤康弘さんの作品。
わたしは全く知らなかったのですが、こけしもいろいろな種類があり、こちらのこけしは「遠刈田系伝統こけし」と呼ばれるこけしだそうです。
わたしたちがこけしといって思い浮かべる色絵のついたこけしも作っていらっしゃるそようですが、この写真ようなこけしも作っているのですね。
この国境を越えたネイティブモダンな姿。
コンクリート打ちっ放しのモダンな部屋でも、アンティーク家具があるなモダンナチュラルな部屋でも、どちらにも合うなあ・・
その買いたい気持ちをぐっと抑えて、後ろ髪を引きちがれながら、下の階に移動。
4階は「日本のポップカルチャー」のフロアです。
「どんなんだろう?」と思って行ってみると、こんな立派な箱があります。
何だ?なんだ?ナンダ?
別の棚に近寄ってみると・・・結構えぐいのもある。
これなんか銘をみてみると
「髑髏お菓子壺 青 140,000円」だと!!!
ポップカルチャーの奥深さというより、底深さを感じさせてくれるコーナーです。
先に進むと、一つの部屋をまるまる再現したコーナーが現れます。
サブカルチャー好きな大人にはぐっとくる設え。
これはかなわないなあ~
一回りするとこんなコーナーが待っていました。
わたしの世代にとってもただただ懐かしいとしかいいようがないコーナーです。
最近、カセットテープが若い人にも人気が再燃していると聞いていましたが、テープがあってもカセットデッキが無いと意味ないよね。
これも日本文化か~
さていきなりですが、ミラノサローネに行くたびに揺るぎないトップブランドの特徴に気づきます。
それは、守りだけの態勢ではなく、失敗を恐れず革新的な新しい商品を出していくその姿勢です。
定番を言われる商品でも、マイナーチェンジをしながら、時代に寄り添って柔軟に変えている頭の柔らかさです。
日本のクラフトは「技」という面でいると、世界的に秀でているかと思いますが、それだけに頼っていては時代に取り残されてしまう懸念もあります。
家具に限らず、今回紹介したようなクラフト品も生活の中で使ってこそのものです。
そのためには、伝統の技法を用いながらも時代を反映させたデザインが大事になっている気がします。
そういう意味でいうと、「BEAMS」がここ「BEAMS JAPAN」で行っている日本製品発見の取り組みは、もっともっと増えてほしいと思います。